【自転車とはるくん③】コーヒーへのあこがれ
ズズッ。アー・・・(息を吐く音)
ダイニングでほっと一息コーヒーブレイク。
はるくんは最近、
めがねダディや妻がブレイクタイムのコーヒーをすする音を聞くと、キラキラ目を輝かせて、「もう一回!」と言ってきます。
おかわりのコーヒーを飲んだ後、「飲めないよ~ニガイよ~」と言っているので、「ニガイ!ニガイ!」と味の理解はしている(?)ようですが、はるくんにはおいしそうな音がたまらなさそうです。
妻によると、公園で砂場遊びをしたはるくんは、茶色いぬれた砂をコーヒーに見立てて、カップに入れます。そのままテイクアウトして、公園の帰り道に片手で「ああ、おいしー」と飲むふりするほどのコーヒー愛好家だそうです。
それで、いつもの保育園から自転車で帰宅中、ダディが買い物のためにコンビニに寄り道した時のことです。
入り口すぐにあるコーヒーマシンが気になりすぎるはるくん。入り口でだいたい「コーヒー!コーヒー!」とテンションが爆上がりします。
「コーヒー!コーヒー!」
「コーヒー!コーヒー!」
「コーヒー!コーヒー!」
そろそろ恥ずかしくなってきました。きょうはずっとおっしゃるので、「じゃあ一杯だけね」と目当ての買い物を済ませた後、もう一回レジに戻り、「すみません。ホットコーヒーレギュラーで」と頼みました。
「ピピッ」
目を輝かせるはるくん。あのボタンが押したかったようです。
「プシュー」。抽出されたコーヒーがカップにたまると、
どこで学んだのか、抱っこされたまま、カバーを開いて、そのままカップを取り出すはるくん。
「おおっ。おおっと」
小さな手でいっちょ前にカップを片手で持つので、ダディは落とさないかヒヤヒヤもんです!
その後も「はるくんが持つ!」といってきかないので、歩かせて、自転車の後ろまでスタスタ・・・。
「よし、とりあえずコーヒーは持つよ」「ダメ」「え、こぼしちゃうよ」「ダメ!」「え、だめなの」・・・(涙目のはるくん)。
はい、泣きそうです。(しょうがない・・・)「じゃあ、家まで持っていこうか」「落とさないでね」念押ししました。「お、おとさないでね」。
後ろに座っていたはるくんは、片手から大事そうに両手でカップを持って、コクりとうなずいていました。
ダディは慎重に自転車をこぎだし、家までゆくーりゆくーーーりこぎました。こぼされたら大惨事ですから・・・。
なんとか無事、家まで課題をクリアしたはるくんです。
家で夕飯を作って待っていた妻に「はいどうじょ!」。
これがしたかったようです。
自転車の後ろに乗ったはるくんの真剣な顔つきを見て「まあ、なんとなく大丈夫そうかな・・・」と後押ししたくなったダディ。ちょっと頼もしくなったはるくんでした。
●自転車とはるくんシリーズ